ガンパレ好きにオススメTRPG

装甲騎兵ボトムズTRPGを買ってきて目を通しつつ、ふと思いました。
結構、ガンパレってボトムズと類似点あるんじゃないかな、と。
で、ガンパレ好きならこれもイケるんじゃない?ってTRPGをつらつらと考えてみました。

[装甲騎兵ボトムズTRPG]

まずは、こんなコーナー作るきっかけになった作品から。80年代の佳作アニメをTRPG化したものです。
来須銀河のモデルってキリコ・キュービーらしいっすね。って、ボトムズをわざわざ挙げたのはそういう意味ではなく。
TVアニメ装甲騎兵ボトムズの物語は、意外にガンパレの感覚と似たところが有ります。
まず、主人公であるキリコ。
この人は、「異能者」であり「特異生存体」という、まったくもって人類の規格外なお方です。立場も扱いも、ラスト近辺まで兵隊崩れのならず者なんですけどね。この辺、決戦存在HEROというものに通じるものがあります。
キリコは、無愛想で、悲しいくらい不器用で、孤独で、嫌味なくらいカッコイイ、男の中の男です。来須ファンなら、大抵キリコも好きになれるのでは?
キリコのような個体が出現するように仕向けたのが、超存在とも言えるワイズマン。アストラギウス銀河を二分する大戦争を誘導したのも彼(人間じゃないけど)。元はクエント文明という昔の文明社会――既に滅亡(本当は高度文明を破棄したのだけれど)――に生まれた異分子たちで、ボトムズが取り扱っている年代では巨大な自律コンピュータという存在です。詳しい経緯までは書きませんが。
このワイズマン、セプテントリオンとか『青』とかに――存在意義はともかく、存在のレベルとしては――類似する位置付けになりますか。歴史の影で世界を操る大いなる存在ですし。
更に、キリコは世界の為にとかいう感覚はまったく無くって、ただフィアナへの情と自分の人生を狂わされたという復讐心をもって、アストラギウス銀河を統べるワイズマンの力を受け継ぐことを蹴ってワイズマンを殺してしまうというスゴイことをしでかしてくれます。その方法たるや、確信犯的な騙し討ち。土壇場で考えを改めたわけでもなく、味方をも騙してワイズマンの意に添うよう振る舞い、最後の最後に思いっきり清々しく裏切ってくれるという素晴らしい戦術です。そのためには、愛するフィアナに(微妙に狙いは外しているとはいえ)マシンガンをブッ放つという徹底振り。黒速水を彷彿とさせる行動力です。
表面に出ているのはミリタリーチックなハードアクションな世界ですが、根底はえらく壮大だったりする物語。まあ、どうにも後から付け足したような設定があるのはご愛嬌。作品の雰囲気こそ違えど、一番ガンパレに近い構造の物語という気がします。
これに関する情報は、各種ビデオソフトなどからも取得できます。
『装甲騎兵ボトムズTRPG』はトイ・インターナショナルから。ガンパレのストイックな部分が好きという向きには、なかなかよろしいのではないかと。発売されたばかりなので。巨大書店やソレ系のゲームショップで手に入るでしょう。

[鋼鉄の虹〜パンツァーメルヒェンRPG〜]

「女の子なら誰でも憧れる伝説、それはここ戦時下のケルンテン公国にもあります。除隊式の日に、伝説の88mm高射砲の前で女の子から告白して生まれたカップルは、永遠に幸せになれるって……」
こういうTRPGです。(ウソ)
本来の思想はボードSLGのそれですが、ケッタイな(誉め言葉)休暇チャートのおかげで、プレイのノリはこうなりがちです。
時は第二次欧州大戦開始前、中部ヨーロッパの架空の国家ケルンテン公国における内戦をテーマとしたTRPGで、システム自体はとてもお手軽。設定自体、TRPGとして語られている範囲ではさほど壮大ではありません。
戦争をテーマにしていますが、例えばガンダムRPGみたいに戦闘ルールばかりを追求しているRPGではありません。全体から見ると異常に充実した(ちなみにノリも多少異常)休暇表が、戦争のさなかに旅行に行くわデートに行くわ借金取りに追われるわという、えらく日常的な光景を演出してくれます。日々これ戦争、というのは、延々基地に閉じ篭っているのではなく、こういう日常的な雰囲気の中に戦争というものまで取り込んでしまったイビツな状態を指して言うのではないでしょうか?
そういう意味で、ガンパレによく似た雰囲気を醸し出してくれる隠れた佳作TRPGです。
作成は遊演体、発行は(株)アスペクト。ガンパレの軽〜いノリが好きな向きにオススメ。そうレアなモンでもないはずなんで、探せばまだ手に入るかもしれません。未体験のTRPGプレイヤーは、是非。

[エルリック!]

ガンパレっぽいかと言われると、ちと疑問があるんだけど、一応平行世界モノということで。原作は、マイクル・ムアコックによる傑作ファンタジー小説です。
さほど似ているところは無いんですけど、それぞれに魔法的な手段で接触を持っている百万世界とか、それを股にかけて活躍する――不幸に見舞われるとも言うが――主人公たちは、まあ原点っちゃあ原点ですかね。法と混沌の対立する二大勢力、それぞれを代表する『戦士(チャンピオン)』による戦い、というのも人類VS幻獣とそれぞれの決戦存在という感覚に類似しますし。プレイヤーが永遠の戦士(エターナル・チャンピオン)役ってトコですか
ファンタジーながら、瀬戸口君とかの深〜いお話の方向性を追求する場合には、なかなか合ってるような。また、元が百万世界という設定なので、このTRPGを基点に他のTRPGで別世界を演じ、全体的な物語は『エルリック!』に集約していくというような、まさにPC=介入者的という感覚のキャンペーンを張るのにもいいシステムです。
『エルリック!』日本ではホビージャパンより。最近見かけないけど、さほどレアではないですし、まだ手に入るのかな?
原作にあたる小説エルリック・サーガ・シリーズはハヤカワ文庫から。俗に四大戦士モノと言われるうちの他の三つ、紅衣の公子コルム、エレコーゼ・サーガの各シリーズはハヤカワ文庫、ルーンの杖秘録、ブラス城年代記の各シリーズは創元推理文庫から。そこそこボリュームはありますが面白いのでさほど苦も無く読破できると思います。ただ、翻訳文独特の文章のノリがダメという人には厳しいかも。明るい話ではないですし。私は大好きだけど。

[ワースブレイド]

うっかり忘れてた(笑)ので追加。
和製ロボットTRPGの巨星です。ファンタジー+ロボットという感じですね。
権謀術数渦巻く戦乱模様の世界、世界で唯一ロボットを供給する謎の組織西方工呪会(本当は東方聖刻教会もありますが)、青ならぬ黒の帝国ダカイト・ラズマなどなど、ゲームマスターのちょっとしたアレンジでガンパレっぽさを演出できる世界観とシステムが良い感じです。
10パーセントという高確率でファンブル(絶対失敗)起こすことを別にすれば。
なお、東方編を持ち出すと収拾がつかなくなるので注意。(笑)
『ワースブレイド』はホビージャパンから。ボックス版は、さすがにもう見かけませんねぇ。まあ、必要十分なものはブック版のスタートセット(ボックス版の基本システム・エキスパンション1・エキスパンション2が一緒になったとてもお得で便利な代物――ボックスで買い揃えた者の立場は?(泣))だけでしょう。こちらは、場所によってはまだ残ってるかもしれないです。
朝日ソノラマから出てる小説『聖刻1092』シリーズが、一応世界的には繋がっています。他にも幾つかあるけど、読んでないのでパス。
何度かTVゲーム化もされてますが、こっちはハッキリ言ってどーにもなんない出来です。買わない事。

[特命転攻生]

しれっと追加。
トンデモ学園バトルものです。
ガンパレっぽくするには、
国防縛りでプレイすると吉。これでもかってくらい弱いけどな。
転校なんか必要ナッシング。訓練風景と教官・先輩の無理難題をネタにシナリオ組むとよろし。
9mm拳銃よりメリケンサックの方が強い、という辺りに目をつぶれば、なかなかよい感じ。
どーにも往年の『蓬莱学園』シリーズの色が抜けないのは、善し悪しは別として特徴的。
(2002年夏現在)メールゲームが開催されてますが、参加費高いのでパス。一応旬のTRPGなんで、モノもサプリもその辺に転がってるハズ。
しかし、最近のTRPGは割高だよなぁ。まあ、実際は往年のボックスタイプよか安いんだけど、どーにも中身の濃度がねぇ。
ブルーローズは別モノだったけど。と、少し関係ないことまでほざいてみるのでした。


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